任意整理と口座凍結に関するQ&A
Q任意整理して口座凍結されることはありますか?
A
例えば、預貯金口座の名義人が死亡し、相続人からその旨の届け出があると、預貯金口座は、相続手続きがなされるまで凍結されることになります。
凍結とは、預貯金の引き出しができなくなるということです。
同様に、銀行からの借り入れ(カードローンなど)について任意整理を行う場合も、当該銀行の預貯金口座は一定期間凍結されることになります。
Qどのようなタイミングで口座凍結されますか?
A
銀行からの借り入れについて任意整理を行う場合、弁護士から銀行宛に送付する債務整理の受任通知を銀行が受領した時点で預貯金口座は凍結されることになります。
そして、銀行が口座を凍結した時点で口座に残っていた預貯金残高はカードローン等の負債の返済に充てられることになりますので(これを法律用語で「相殺」といいます)、生活費等として使う予定の金銭が預貯金口座に残っている場合は、弁護士が受任通知を送付する前に引き出しておく必要があります(直近で給料の振り込みが予定されている場合は、振り込まれた給料を引き出すまで受任通知の発送を見合わせることがあります)。
Q銀行口座が凍結された場合給料はどうなりますか?
A
任意整理を行う場合、弁護士の受任通知を銀行が受領した時点で口座は凍結され、凍結時の口座残高はカードローン等の負債と相殺されますので、凍結前に口座に振り込まれた給料は、預金のままにしておくと相殺の対象となってしまいます。そのため、口座凍結前に引き出しておく必要があることは前述したとおりです。
他方、口座凍結後に振り込まれた給料は、カードローン等の負債との相殺の対象にはなりません。
しかし、口座が凍結されていると振り込まれた給料を引き出すこともできなくなりますので、給料が振り込まれている銀行を対象として任意整理を行う場合は、振込先口座を別の銀行に変更しておくことが重要となります。
なお、口座に給料や年金等が振り込まれた場合、窓口での引き出しに応じてくれたり、時間を限定して凍結を解除しATМで引き出せるようにしてくれたりする銀行もありますが、あくまで銀行の厚意ですので、振込先変更は怠らないようにしましょう。
Qどれくらいの期間口座凍結されますか?
A
銀行のカードローン等については、保証会社(例えば三菱UFJ銀行のカードローンは同じMUFGのアコム、三井住友銀行のカードローンは同じSMFGのSMBCコンシューマーファイナンスが保証しています)が付いていますので、銀行は、保証会社から代位弁済を受けるまで預貯金口座を凍結することになります。
保証会社から代位弁済を受けるまでの期間は金融機関によって区々ですが、目安は1か月から3か月程度になりますので、この期間、預貯金口座は凍結されていることになります。
なお、一部金融機関については、債務整理を行うと預貯金口座が強制解約される約定になっていますので注意が必要です。